大銀幕

中島みゆき( MIYUKI NAKAJIMA ) 大銀幕歌詞
1.糸

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

なぜ めぐり逢うのかを
私たちは なにも知らない
いつ めぐり逢うのかを
私たちは いつも知らない

どこにいたの 生きてきたの
遠い空の下 ふたつの物語

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない

なぜ 生きてゆくのかを
迷った日の跡の ささくれ
夢追いかけ走って
ころんだ日の跡の ささくれ

こんな糸が なんになるの
心許なくて ふるえてた風の中

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かの
傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます


2.命の別名

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

知らない言葉を覚えるたびに
僕らは大人に近くなる
けれど最後まで覚えられない
言葉もきっとある

何かの足しにもなれずに生きて
何にもなれずに消えて行く
僕がいることを喜ぶ人が
どこかにいてほしい

石よ樹よ水よ ささやかな者たちよ
僕と生きてくれ

くり返す哀しみを照らす 灯をかざせ
君にも僕にも すべての人にも
命に付く名前を「心」と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも

たやすく涙を流せるならば
たやすく痛みもわかるだろう
けれども人には
笑顔のままで泣いてる時もある

石よ樹よ水よ 僕よりも
誰も傷つけぬ者たちよ

△くり返すあやまちを照らす 灯をかざせ
君にも僕にも すべての人にも
命に付く名前を「心」と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも△

石よ樹よ水よ 僕よりも
誰も傷つけぬ者たちよ

(△くり返し)

命に付く名前を「心」と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも


3.たかが愛

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

まちがいだけを数えていても人の心をなぞれはしない
教えておくれ止まない雨よ本当は誰を探しているの
あぁ この果てない空の下で
何ひとつまちがわない人がいるだろうか
何故にたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても
捨ててしまえないものがまだあるの
僕はたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても
捨ててしまえない たかが愛

傷つきあったさよならだけが形に残るものだとしても
たしかにあったあのときめきがいつか二人を癒してくれる
あぁ この果てない空の下で
独りでも寂しくない人がいるだろうか
何故にたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても
捨ててしまえないものがまだあるの
僕はたかが愛に迷いそしてたかが愛に立ちどまらされても
捨ててしまえない たかが愛


4.愛情物語

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

よりそいあって暮らすことが あなたのためにはならないこともある
しでかして来た過ぎた日々が 私を許しはしないらしい
今日までの愛情に報いて出来ることはただひとつ
突然の裏切りと見えるしかなくても
もう逢わない もう呼ばない あなたと他人になるわ
たとえ離れても心は変わらない
せつなさに疲れて息がとまっても

誰でもいい側にいてと 迷いにまかせたひと頃があった
忘れ捨ててほしいならと 忍び寄って来るあの頃の気配
狙うのは私だけでいい おびき寄せて遠ざかるわ
あなたには何者も触れさせはしないから
あなたには裏切りと憎まれてもいいから
たとえ離れても心は変わらない
せつなさに疲れて息がとまっても

狙うのは私だけでいい おびき寄せて遠ざかるわ
あなたには何者も触れさせはしないから
あなたには裏切りと憎まれてもいいから
たとえ離れても心は変わらない
せつなさに疲れて息がとまっても


5.世情

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

世の中はいつも 変わっているから
頑固者だけが 悲しい思いをする

変わらないものを 何かにたとえて
その度崩れちゃ そいつのせいにする

※シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく
変わらない夢を 流れに求めて
時の流れを止めて 変わらない夢を
見たがる者たちと 戦うため※

世の中は とても 臆病な猫だから
他愛のない嘘を いつもついている

包帯のような嘘を 見破ることで
学者は世間を 見たような気になる

(※くり返し×4)


6.with

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

僕のことばは意味をなさない
まるで遠い砂漠を旅してるみたいだね
ドアのあかないガラスの城で
みんな戦争の仕度を続けてる

旅をすること自体おりようとは思わない
手帳にはいつも旅立ちとメモしてある
けれど

※with…そのあとへ君の名を綴っていいか
with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに
with…そのあとへ君の名を綴っていいか
with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに
with…※

生まれる前に僕は夢みた
誰が僕と寒さを分かちあってゆくだろう
時の流れは僕に教えた
みんな自分のことで 忙しいと

誰だって旅くらいひとりでもできるさ
でも、ひとりきり泣けても
ひとりきり笑うことはできない

(※くり返し)

僕のことばは意味をなさない
まるで遠い砂漠を旅してるみたいだね
けれど
with…そのあとへ君の名を綴っていいか
with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに
with…そのあとへ君の名を綴っていいか
with…淋しさと虚しさと疑いとのかわりに

(※くり返し)


7.私たちは春の中で

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

私たちは春の中で 淋しさに苛立っていた
通りすぎる春の中で 遅れることに怯えていた
もしも1人だったならば もしも孤独だったならば
もしも虚ろだったならば もしも自由だったならば
春はあやまちの源
私たちは春の中で 遅れることに怯えていた

私たちは春の中で わからないものに 苛立っている
通りすぎた春のために 失ったものを怯えている
もしも1人だったならば もしも孤独だったならば
もしも虚ろだったならば もしも自由だったならば
春はあやまちの源
私たちは春のために 失ったものを怯えている

もしも1人だったならば もしも孤独だったならば
もしも虚ろだったならば もしも自由だったならば
春はあやまちの源
私たちは春の中で 失くさないものまで失くしかけている


8.眠らないで

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

眠らないで眠らないで ずっとずっとずっと
このままふたり いつまでも歩きましょう
眠りの国のゴンドラはひとり乗り
出会ったことも 抱きあったことも
争ったことも 寄り添ったことも
頬に残る熱さも 腕に残る鼓動も
みんな夢だったなんてことないよね
眠らないで眠らないで ずっとずっとずっと
このままふたりいつまでも歩きましょう
どこから夢と知らないで歩きましょう
歩きましょう


9.二隻の舟

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

時は 全てを連れてゆくものらしい
なのに どうして 寂しさを置き忘れてゆくの
いくつになれば 人懐かしさを
うまく捨てられるようになるの

難しいこと望んじゃいない
有り得ないこと望んじゃいない

時よ 最後に残してくれるなら
寂しさの分だけ 愚かさをください

おまえとわたしは たとえば二隻の舟
暗い海を渡ってゆく ひとつひとつの舟
互いの姿は波に隔てられても
同じ歌を歌いながらゆく 二隻の舟

時流を泳ぐ海鳥たちは
むごい摂理をささやくばかり
いつかちぎれる絆 見たさに
高く高く高く

敢えなくわたしが 波に砕ける日には
どこかでおまえの舟が かすかにきしむだろう
それだけのことで わたしは海をゆけるよ
たとえ舫い網は切れて 嵐に飲まれても
きこえてくるよ どんな時も

おまえの悲鳴が 胸にきこえてくるよ
越えてゆけ と叫ぶ声が ゆくてを照らすよ

おまえの悲鳴が 胸にきこえてくるよ
越えてゆけ と叫ぶ声が ゆくてを照らす

難しいこと望んじゃいない
有り得ないこと望んじゃいないのに

風は強く波は高く 闇は深く 星も見えない
風は強く波は高く 暗い海は果てるともなく
風の中で波の中で たかが愛は 木の葉のように

わたしたちは二隻の舟 ひとつずつの そしてひとつの
わたしたちは二隻の舟 ひとつずつの そしてひとつの
わたしたちは二隻の舟


10.瞬きもせず

作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき

瞬きひとつのあいだの一生
僕たちはみんな一瞬の星
瞬きもせずに
息をすることさえ惜しむかのように求めあう

※ああ 人は獣 牙も毒も棘もなく
ただ痛むための涙だけを持って生まれた
裸すぎる獣たちだ※

君を映す鏡の中 君を誉める歌はなくても
僕は誉める 君の知らぬ君についていくつでも

あのささやかな人生を良くは言わぬ人もあるだろう
あのささやかな人生を無駄となじる人もあるだろう
でも僕は誉める 君の知らぬ君についていくつでも

(※くり返し)

触れようとされるだけで痛む人は 火傷してるから
通り過ぎる街の中で そんな人を見かけないか

あのささやかな人生はもしかしたら僕に似ている
あのささやかな人生はもしかしたら君だったのか
通り過ぎる街の中で そんな人を見かけないか

瞬きひとつのあいだの一生
僕たちはみんな一瞬の星
瞬きもせずに
息をすることさえ惜しむかのように求めあう

ああ 人は獣 牙も毒も棘もなく
ただ痛むための涙だけを持って生まれた
裸すぎる獣たちだから

僕は誉める 君の知らぬ君についていくつでも

瞬きひとつのあいだの一生
僕たちはみんな一瞬の星
瞬きもせずに
息をすることさえ惜しむかのように求めあう